Archive for 7月 13th, 2010

芸者「たつ」(偽おりょうさん)の写真について その4

偽おりょうさんの写真については若い頃のおりょうさんの写真ではないならば、
ではいったい何者なのだという質問をよくされることがある。
これについてははっきりしていることは、この写真が撮影された明治初年の東
京の人気芸者「たつ」さんだとしか今は判らない。
明治初年の東京にそんな「たつ」さんと言う名の人気芸者がいたのかどうかは、
これはちょっと調べて見れば判るが、「下谷のたつ」と「柳橋のたつ」という
評判の芸者がいたことは判っている。
その他にも悪女の辰という芸者もいた。
今のところその誰なのかを確定できる写真が見つからないため、僕もまだ誰な
のかよく判らない。

そのため明治初年の芸者の古写真についてはずいぶんいろいろな古写真を見て
きたので、別の情報として当時の人気芸者の写真は特定できている。
ぽんたや奴、柳橋の色、金春芸者の小清、近江屋のとん子といった芸者だ。
こういう人気芸者にはその後、有名な人物の奥様や妾になった女性も多く、そ
の後の人生も面白い逸話が多くある。

いつの日かそういう古写真の本も書いてみたいと僕は考えている。
そういう本が売れるかどうかよくわからないけれど、・・・


芸者「たつ」(偽おりょうさん)の写真について その3

03

今度の京都霊山歴史館の機関紙「維新の道」で詳細は発表する予定でいますが、
他にもこの井口家アルバムの偽おりょうさんの写真が、若い頃のおりょうさん
でないこと決定的な根拠を書くつもりです。
それは後日のお楽しみということにして、もはや問題はでは誰なのか?という
ことになります。

最近、偶然ですが日野の駅ビルにある本屋さんで、坂本優二著「龍馬を愛した女
たち」(グラフ社)という本を見つけ立ち読みしました。

この本では著者は、いきなりあの偽おりょうさんの写真の人物を江良加代と書いて
いましたが、今のところ偽おりょうに似ているということしか、確かな根拠は何も
示されていませんでした。

この偽おりょうさんの写真の女性が江良加代であるかどうかは別の問題になります
が、江良加代の写真は数多く残されており、それらの写真を見る限り、僕は違うと
考えています。

江良加代の写真は井桜直美&トーリン・ボイド共著『セピア色の肖像 幕末明治名
刺判写真コレクション』(日本カメラ博物館監修、朝日ソノラマ、二○○○年)と
いう本にも掲載されていますので、興味のある方はこちらの写真もご覧下さいませ。

井桜直美&トーリン・ボイド氏の「桜堂」は以下になります。
http://www.sakura-do.com/index.html


芸者「たつ」(偽おりょうさん)の写真について その2

あの井口家アルバムに偽おりょうさんの写真については、科警研の鑑定書も
読みましたが、実に変な鑑定をしてました。
というのも、晩年の真のおりょうさんの写真と、半身像の井桜さん所蔵の写
真に二枚を使って、しかも半身像の写真を反転させて、顔の大きさを合わせ
て比較してました。
この場合、例えば右耳と左耳を比較することになり、そもそも比較のやり方と
しては不適切なやり方です。
これは皆さんもよく判ると思いますが人間の顔は左右で微妙に違っており、そ
の印象は違います。
だから古写真の比較をする場合は反転などをしてはいけないのです。
この鑑定をされた方を個人的に非難するわけではありませんが、鑑定のやり方が
間違っていることは明らかです。

皆さんもやってみれば判ると思いますが、晩年の真のおりょうさんの写真と、半
身像の井桜さん所蔵の写真をそのまま比較して、目、耳、眉、口などと拡大して
比較してくださいませ。

するとよくわかりますが、例えば半身像の井桜さん所蔵の写真では瞳の黒い部分が
上瞼に少し隠れていることが判ります。
これは通常、半白眼(はんぱくがん)といいます。
半白眼の人は年をとっても半白眼で変わることはありません。
さて、晩年の真のおりょうさんの写真ではどうでしょうか?
瞳の黒い部分はよく見えており、これは半白眼ではありません。

その他に耳の形状もよく比較して見てください。
例えば耳たぶの大きい人は年をとっても変わりません。
また耳が貼りだしている人も年をとっても変わりません。
ましてや耳の模様(専門用語がわかりませんが)の形状も年をとっても変わりません。

さて、皆さんはどう思われるでしょうか?
僕は全く違う人物だとこういうことからも思います。


芸者「たつ」(偽おりょうさん)の写真について

この写真については下記にも書いているので、まだ読んでおられない方が
おられましたら、ぜひよく読んでくださいませ。
また匿名でもかまいませんので、感想、ご意見、コメントをお書きくださ
いませ。
よろしくお願いいたします。
お竜の写真
http://yoppa.blog2.fc2.com/blog-entry-590.html
お竜の写真2
http://yoppa.blog2.fc2.com/blog-entry-593.html
お竜の写真3
http://yoppa.blog2.fc2.com/blog-entry-600.html

現在のところこの偽おりょうさんの写真は、全く同じ全身像の名刺版
写真が2点(①②)と
井桜直美氏所蔵のと全く同じ半身像の名刺版写真(③④)の2点の合
計 4点あることが判った。

①京都国立博物館収蔵「井口家アルバム」(Bアルバム)にある全身像
の名刺   版写真
②芸者の写真アルバムにある全身像の名刺版写真
③井桜直美氏所蔵のと半身像の名刺版写真(写真台紙裏に「たつ」の墨
書きあり)
④山科の古写真コレクターが持っていた半身像の名刺版写真
(これは京都国立博物館の宮川禎一氏が預かったままになっている)

⑤「Teioコレクション」が持っている半身像の名刺版写真
http://www.teiocollection.com/event/eventplan/s-dm10-1.htm
⇒この写真は以下の写真だが、京都維新を語る会の川崎先生ほか各氏の
調査で、明治時代の名刺版写真ではなく、近年になって単に半身像の写
真を複写したものと判明した。
以下もご覧ください。
http://ryomado.cocolog-nifty.com/dochunitiroku/2010/04/post-1562.html

但し、②の写真現物は僕もまだ実際には見ていないため、詳細を書くこ
とはできない。


『英傑たちの肖像写真』

渋谷雅之、石黒敬章、倉持基、土方愛、森重和雄共著
『英傑たちの肖像写真』
(渡辺出版、2010年5月15日初版発行)

02

本日、ようやく『英傑たちの肖像写真』が自宅に届き早速、他の著者の方々が
書かれた章を読んだ。
よく書かれた本ですねぇ、・・・とにかくその内容がいいです。(拍手!)
おそらくこの本は今後の坂本龍馬、西郷隆盛、明治天皇、土方歳三、近藤勇の
肖像写真を研究したい研究者にとっては、基本資料ということになるだろう。
また、今後は古写真について語るならばこういうことだよねという見本にもな
る本だと思う。

さて、僕の方は昨日は江戸東京博物館に特別展示されていた坂本龍馬のガラス
湿板写真の原本をチラリとみてきた。
それにしてもすごい人の多さで、まるで大阪万博のアメリカ館「月の石」状態
だった。
他の坂本龍馬の写真はパネル展示でしたがよかったです。
おりょうさんの写真もちゃんと晩年の写真のみを展示してました。
さすが江戸東京博物館です。

今日は日野の土方歳三資料館にやはり土方歳三の写真原本を特別展示するので
みてきた。
土方陽子館長、土方愛副館長さまにも久しぶりのご挨拶をして、ついでに『英
傑たちの肖像写真』に土方愛さんのサインまで頂きました。
どうもありがとうございました。