Archive for 8 月 15th, 2008

古写真探索 その弐

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ネットオークションに出品されている古写真には時には掘り出し物のいい古写真も出
品されることもあるが、そのほとんどは骨董業者、古書店、古写真コレクターが入手
したもので、その最初の出所も不明なため、詳細がよくわからない。
また、中には悪質な業者もいて何の関係も無い文書と組み合わせて、さも関係がある
ように見せかけて古写真といっしょに出品していたり、鶏卵紙と写真台紙の組み合わ
せが違っている古写真を出品している業者もいる。
これはどういうことかというと古い写真の鶏卵紙は剥がれやすいため、写真が剥がれ
て喪失してしまった人気のある写真館や写真師の写真台紙に、別の写真を張って売り
つけるという手口だ。
こういうことをされると古写真の意味が違ってくるし、今後の古写真研究で写真台紙
の情報の信用度が無くなってしまうため、非常に迷惑なこととなる。
また、横浜写真のアルバムなども一冊丸ごとだと高額なためなかなか買い手が見つか
らない。
そのためこの写真アルバムを一ページ毎に切り離して、バラバラにして販売してい
る。
こうすると確かに値段も手ごろになるから売れるのだが、元々の写真アルバムとして
の本来の情報は喪失してしまうため、古写真研究としての価値は無くなってしまう。
歴史的な古写真としてはやはりその出所がいいものがいい。
それはどういうことかというと、旧皇族、旧公家、旧藩主などの華族や、幕臣、諸藩
士、通詞、乙名などの名家のご子孫が所蔵している古写真は、被写体の人物名もよく
判るし、写真館、写真師、撮影日時、撮影場所などもベンチマークとなる古写真が多
いため、他の古写真についてこれらの写真と比較分析することで役にたつからであ
る。
もちろん、これらの古写真はそれ自体も歴史的な貴重な古写真資料となっている。
近年、これらの古写真も所蔵者(ご子孫)の代が代わることで、処分されたり、廃棄
されることもあり、問題となっている。
本来、しかるべき公的な機関などが、一般に広告、告知して古写真を処分する、廃棄
する前に少なくとも一度は、そこが鑑定、判断し、場合によっては買取、委託、寄贈
先となればよいのだが、それをPRする予算もないようでそのままになっている。
地元の郷土資料館や博物館などに古写真が委託、寄贈されても、そこに古写真専門の
学芸員もいないため、ただ倉庫に保管されているだけで研究、分析もされずに死蔵さ
せているといった状況だ。
また、東京国立博物館すらその保管状況もひどいため、年々、古写真の画像劣化や退
色、剥離といったことも起きている。
国も財政難といいつつも、文化財保護に関する関心も低く、予算配分もほとんどない
状況だ。
まぁ、そういったわけで僕のような素浪人の古写真研究家はどこに行っても重宝がら
れて、それは僕にとっても原資料である古写真の現物を観ることができるのでありが
たい。
個人的にはそれでもいいのだが、最近僕はこういう古写真資料の今後の行方、活用の
仕方、後世に残す手段、保管、保存、管理などについても何とかできないかと考える
ようになった。
また古写真の研究成果を発表する場として、新たに古写真研究専門の学会、古写真研
究者の育成も必要だと思う。

(写真は、内田九一の偽写真)