横浜「谷戸坂(やとざか)」から見た横浜港
ご覧の大判手彩色古写真は明治期の「横浜の山手にある谷戸坂から横浜港」を見た写
真だ。
この古写真では右手の緑の左手に建っている洋館が、フランス領事館で、その左奥の
建物が 明治3年に開業したグランド・ホテル旧館、さらに左奥が明治23年に増築
されたグランド・ホテル新館になる。
このグランドホテルは明治3年、写真家ペアトにより開業されたが、後に大正12年
の関東大震災で倒壊してしまった。
撮影ポイントは谷戸坂の途中、やや坂下に近い場所から、横浜港を望んでいる。
谷戸坂(「やとざか」という)は、谷戸を貫いている坂の様子から谷戸坂と呼ばれ、
昔は「本牧十二天(本牧神社)」に詣でる道として知られ、人々が足しげく往来して
いた。
今は「港の見える丘公園」の高台の前に登って行く坂だ。
従ってこの写真が明治23年以降に撮影された写真であることが判る。
こういう手彩色の古写真は一枚一枚アルバムに貼られて、蒔絵などの豪華な意匠で写
真アルバムに仕立てられて、海外に数多く輸出された。
古写真の世界では通称「横浜写真」と呼ばれている。
この多くは横浜の日下部金幣の写真館で作成されている。
もちろん関西でも神戸、大阪の深沢貞の写真館などで多く作成されている。
また、オークションなどで出品される状態のいい写真アルバムだと、一冊300万以
上の価格で落札されることも多い。
横浜には現在でも谷戸坂ちゃんとあり、道の形態は今もあまり変わってない。
今でもちゃんと谷戸坂上からは横浜港が望めるし、かってフランス領事館があったフ
ランス山(公園)、グランド・ホテル旧館、グランド・ホテル新館があった場所は、
横浜人形の家、メルパルク郵便貯金会館として眺めることもできる。
僕は時々、こういう古写真のコピーを持って今のその場所を訪れることがあるのだ
が、意外と今でも同じ風景が残っていて(もちろん建物などは変わっているが)、当
時の雰囲気を偲ぶことができる。
古写真の世界が面白いのはそういうこともあるからだ。
いわばタイムマシンですよね。



